鏡外では珍しく2種類の服が用意されている(虹版と傷版)が、今回の容姿解説は虹版。その代わり、背景の表情差分を傷版にした。傷版衣装はより華やかでアグレッシブなデザインなので、そちらもいずれ解説したい。
御虹重は、12万の人口を抱える鏡外最大の都市「鴨草京」の事実上の主導者である。誕生年月日は正確には不明だが、恐らく[虹]時点では20歳に達していない。[虹]よりも半年ほど前を描いた作品「桜の君と鏡の都」で彼女は飲酒しているが、鏡外では飲酒に関して年齢制限は設けられておらず、問題ない。
群雄割拠の鏡外でも特に領土争いが頻発していた2010年頃、姉である御虹単の助言によって言葉巧みな演説を行い、民衆を強く惹き付けた。以来、かつて存在した宮廷を復元する形で「鴨草宮」を建造し、その周辺の統治を行っている。現在の鴨草京の領土はおよそ20平方キロメートル強で、そのほとんどに碁盤の目状に道路を張り巡らせている。また地下鉄や路面電車が存在しており、鏡外で最も交通の便に優れた土地でもある。
鴨草京は設立当初から、鴨草宮の建造とほぼ平行する形で開発が行われている。開発に当たっては、都市計画の作成・実行に猪民桜花、各種会計などの業務に内山妙を採用するなど、優秀な人材を積極的に登用した。分野ごとにエキスパートを設置し、各々に管轄する業務のほぼ全権を委任する形での政治は、それまでにないスピードで急速に形となっていった。ただし重の出自は謎に包まれており、それを把握しているのは重の幼少期に詳しい菫雛くらいのものである。ちなみに、重には産みの親の記憶はあるが、小学校入学前後から消息が途絶えている。菫雛はこの後、重がある程度自立するまで身の回りの世話を行っており、育ての親という見方もある。
基本的には温厚だが、完璧なまでの利己主義者である。重の行動目的の全ては最終的には自分自身にあり、他人の為に動くことはまず無い。しかし、だからと言って自分の立場にふんぞり返る事はまずしない。鏡外で最も大きい勢力となった今ですら、下々の声にまで耳を傾けており、必要とあらば都の改革の為に動く姿勢は、多くの都人に支持されている。ちなみに、これも重の利己主義の一環であり、都を長く継続させる為に好感度を上げている、というのが本人の認識。
物心付くか付かないかの時から、自身の鏡写しである御虹単を姉として慕っている。また同時期から小学校入学に至るまでの約3年と、中学校卒業時からの3年強を単と一つ屋根の下で暮らしている。
※鴨草京の関白のことを「桜の君」と言う
利己的でスピーディーな解決を好む重と違い、より多数の幸福の為に冷静に物事を考える単には、都の設立においてかなりの助言を貰った。特に[虹]直前では、重が鴨草京を統治する正当性を主張する方法について考えてもらっている。[虹]の物語が始まるまでにこの計画は進行し、既に完了している。
その内容は、まず鏡外そのものを生んだと言われている神・石凝宮なみを鴨草京の天皇として擁立し、重が関白として政治を代行するというものである。この際、重は自らの用いる神通力・アマテラスを見せることで、同じく高貴な神である天照宮の子孫であることを主張。この血統を、関白を務め政治を行う根拠としている。更に、なみが鏡外を生み出してから重が鴨草京の統治者となるまでの流れを、上白川文音に命じて「鏡外縁起」と呼ばれる歴史書として編纂させた。
「鏡外縁起」は[虹]までに都人の9割以上に周知され、重の政治に対して文句を言う者はほとんど現れなくなっている。
[虹]では、「鏡外縁起」の計画を提案した後に隔世へと姿を消してしまった単を呼び戻す為、正規の方法ではないやり方で隔世にアクセス。これにより隔世と鏡外の隔たりが薄れていたので、一条戻り橋では隔世から鏡外へと八耶が飛ばされてしまった。
本来、鏡外と隔世の相互な干渉は上白川家が管理している。鏡外の上白川文庫(鴨草図書館)に要請をすることで、上白川家の担当者が隔世の上白川学園と連絡を取り干渉する手順になっている。これは双方の世界の人々を引き合わせないようにし、予期せぬ事態の発生を阻止する為の手段であった。
だがこれを無視した重はアマテラスによって雨を晴らし、架かった虹を擬似的な両世界の架け橋(通称:天浮橋)として活用することで直接的に隔世に居た単に干渉した。この行為は鏡外を生み直しかねない(=今ある世界を上書きし始めからスタートさせかねない)危険性を孕んでいる。[虹]のストーリーは、この危険行為に巻き込まれてしまった八耶が、重を成敗しに行くお話という事になる。
主なテーマ曲は「窈窕の姫」で、[虹]6面ボスとして登場する際に流れる。また、同作OVER面(後日譚)の道中でも彼女が登場する(その際のBGMは「廻廊疾走リアリスト」)。